2016/11/18に発売されたポケットモンスターサンのストーリーを終わらせたので簡単にレビューを書いておきます。
今回はハワイがモデルのアローラ地方を舞台としたやや風変わりなポケモンとなっており、旧作と比べて良いところ・悪いところが多く存在しているなぁと感じました。
サンムーンは年代や性別、趣味嗜好によってかなり評価が変わってくる作品なんじゃないかなぁと思います。筆者は現在20代後半男で無印の緑バージョンを小学校低学年の時にプレイした世代なので、そういった視点からのレビューとなります。
核心的なネタバレについては配慮しているつもりですが、細かいネタバレは含まれています。
あくまでクリア段階での感想でありその後の厳選や対戦などは未着手です。
戦闘難易度が高い
ポケモンってこんなに難しかったっけ? と驚愕してしまうほどにストーリー段階での戦闘がキツいです。(筆者はアシマリを選びましたが、これを選べば楽! という御三家はいないはず)
最序盤でがくしゅうそうちが手に入り、手持ち6体を満遍なく育てること前提の難易度に調整されていると思います。オフにしてしまうと相当ハードなゲームとなるのではないでしょうか。
今までのポケモンでは御三家にタイプ一致技を繰り出させて一撃で敵を葬っていくスタイルでプレイしていたのですが、今作はそうもいきません。今回の御三家はどいつもこいつも鈍足なため、レベルで上回っていても先制されてしまう場合が多いです。
そのためダメージが蓄積し、回復アイテムを多用しなければやられてしまいます。
タイプを気にせずゴリ押しで攻略する手法に頼りにくいため、戦略性がアップしゲームとしては面白く仕上がっているといえるでしょう。
今まできずぐすりやげんきのかけらなどのアイテムをほとんど使ったことがなかったのですが、今作では多用してしまいました。プラスパワーやディフェンダーといった、こんなの誰が使ってるんだよ的なアイテムにも出番がありましたね。
個人的にはやりごたえがあって良かったのですが、こういった調整は小さい子供、特に普段ゲームをあまりやらない女性だとどうなんだろうなぁと思いました。
「Goで初めてポケモンに手を出してサンムーン買ってみたけど戦闘難しすぎて無理! Goに戻る!」
といった中年プレイヤーも多く存在しそうです。
▲揃いも揃って鈍足な御三家たち。
旅パではイマイチ感が拭えないが対戦では……?
ポケモンの可愛さを全面に押し出している
アローラ地方ではポケモンをモンスターボールに入れずに飼っている? トレーナーが多いようです。その姿はとても愛らしく、癒やされます。
個人的にはリーリエが連れている「ほしぐもちゃん」や、アイテムを配りながら街を歩いているデリバードがお気に入りです。
ポケモンの中には話しかけるとアイテムをくれる個体も存在するのですが、これについてはうーんと思いました。
アイテムをくれるとなると全てのポケモンに話しかけたくなるのですが、アイテムをくれる個体は1割未満であり、ほとんどのポケモンは鳴き声でしゃべるだけです。序盤こそ鳴き声を見て楽しめるのですが、段々とダレてきます。
ただ鳴き声を発するだけのポケモンはテキストを表示させずに音声だけにすればいいになぁ、と思ってしまいました。
リーリエが連れ歩いているコスモッグ『ほしぐもちゃん』
ぴゅう、という鳴き声がなんとも可愛い。
ジム戦がない
ポケモンといえば各所に散らばる8つのジムに挑んでバッジを集め、四天王・チャンピオンに挑む。これですよね。
しかし今作にはジムが存在せず形式が変わっており、試練やしまキング・しまクイーンに置き換えられています。
マンネリ化を防ぐために斬新なシステムを採用してみたのでしょうが、やはり普通にジムリーダーのほうが良かったんじゃないかなと思いました。
試練自体は別につまらなくはないし、こういうアプローチもありかなぁ、とは思うのですが……やはりジムリーダー戦のほうが燃えますね。
とはいえおそらく次作ではまたジムリーダーシステムに戻るでしょうし、試練は今作1回限りのものと考えれば、新鮮で良いのではないでしょうか。
ひでんマシンがない
ひでんマシンがない=秘伝要員を連れて歩かずにすむ、という地味ながら良い変更点です。
かわりに『ポケモンライド』という機能を使います。自転車のように使います。
システムとしては便利であり良いのですが、そのポケモンどこから出てきた感はありますね。
戦い専用のポケモンがいれば乗り物や専用のポケモンもいる、と解釈すれば良いのかな……。
野良ポケモンの「仲間を呼ぶ」がストレス
これはもう開発何を考えているんだレベルでサンムーン一番のイライラ要素です。
野良ポケモンを弱らせて次のターンにゲットを狙う→野良ポケモンが仲間を呼ぶ→ゲットできないので片方倒す→また野良ポケモンが仲間を呼ぶ、と負の連鎖が続きます。
このシステムを『面白い!』と思うプレイヤーは果たしてこの世に一人でも存在するのでしょうか。開発段階でどうしてNGが出なかったのか……謎すぎます。
リーリエが可愛すぎる
個人的にはサンムーン最大の注目ポイントです。
この作品の賛否はリーリエを気に入るか否かによるものなんじゃないか、とすら思えてしまうほど、リーリエは重要なキャラクターなのです。
というのもこのリーリエ、最初から最後まで主人公の島巡りについてきます。
シナリオが進行すればほぼ毎回リーリエは顔を出しますし、むしろリーリエがサンムーンの主人公なのでは、と考えてしまいます。そうなると主人公はただのボディーガードです。
リーリエの成長物語、それがポケットモンスターサンムーンという作品なのです。
彼女のキャラ造形なのですが、いかにも萌え豚オタク好みという具合に仕上がっています。
なので私は大好きです。早くリーリエと会話したいなぁと思いつつシナリオを進めていました。
最近のポケモンは割りとそういうキャラクターが多い気もしますが、リーリエはその中でも特に萌えキャラ寄りです。
普段から深夜アニメを見たりする層にとってリーリエの存在はプラスポイントなのでしょうが、そういうのに興味がない女性にとってはどうなのでしょうか。
ポケモンバトルが嫌い、という設定も、人によっては「なんだこいつうぜえ……」となりそうです。
▲可愛い。
総評
良い点・悪い点といろいろありましたが、総評としてはポケモン最新作に相応しい内容に仕上がっているかな、と思います。
ストーリーやゲームバランスなどは個人の好みによって分かれてしまうところですが、なんといってもユーザビリティが向上しており、インターフェースや操作性が過去作と比べてしっかりと改善されています。ここは誰もが認める評価ポイントだと思います。
購入しようか迷っている人は、
リーリエが気に入ったりサンムーン独自のシステムに抵抗感が無ければ買い、
リーリエが気に入らなかったりジム戦がないと嫌だ! という人はスルー、
でよいと思います。
かつてないほど主人公以外のNPC(リーリエ)がストーリーに対して異常なでに絡んでくるため、リーリエがダメな人にはとっては地獄のようなストーリーとなりえます。逆にリーリエが好きなら楽しくプレイできますね。
「サンムーンどうだった?」と聞かれたら「リーリエが可愛かった!」と間違いなく第一に答えてしまう、それが私にとってのサンムーンでした。
少しだけクリア後厳選育成対戦について触れておくと、過去作と比べてかなり緩和されているようです。Vも作りやすいし、努力値も振りやすいようなので、対戦目当てのプレイヤーにとっては問題なく楽しめる作りとなっているようですね。
もっともゲームバランスのほうが分かりませんが……。
追記:クリア後のあれこれについてはこちらの記事をどうぞ。
コメント
ジムは辞めてほしいです。キャプテンが良いです。ジムリーダーはマンネリで勘弁 次回作からも試練が良い
なんかSMは世界観が生理的に無理でした。
いきなりなんか外国感満載になってる…(いやもちろん外国だけども。)